資格のこと


資格制度についてGrade System

当研究所では、「文化財虫菌害防除作業主任者」、「文化財IPMコーディネータ」資格制度を設けております。
「文化財虫菌害防除作業主任者」は、主に博物館、美術館、図書館等の虫・菌害の被害の状況を把握し、必要な処置、薬剤の選択、防除施工を行うための資格、「文化財IPMコーディネータ」は、主に文化財IPM実践するための資格です。
当研究所の主催の講習会等で専門的な知識を習得し試験に合格した方に資格を与えております。資格取得者は全国で活躍しております。


文化財虫菌害防除作業主任者とは

「文化財虫菌害防除作業主任者」資格制度は、昭和54年に発足した資格制度です。
この資格は、文化財分野における虫・菌害の防除施工や被害調査を、確実性と安全性を確保して行う技術者の資格です。
「文化財虫菌害防除作業主任者」は、博物館、美術館、図書館等で自ら虫・菌害の被害の状況を把握し、必要な処置の方法や薬剤を選択して施工し、施設の利用者やそこで働く職員の方々の安全を確保に努めます。
この資格は、防除施工、被害調査などを業務とする技術者だけなく、博物館等の学芸員や図書館司書の方なども資格を取得しており、施工現場における作業の安全確保、問題提起などを行います。

「文化財虫菌害防除作業主任者」の必要な知識

  • 文化財分野における虫・カビの基礎知識・被害と防除
  • 文化財分野で使用される燻蒸剤、防虫剤、殺虫・殺菌処理剤等の特徴と留意点
  • 殺虫・殺菌処理作業における健康障害、曝露防止対策等に関する労働安全衛生、安全対策

文化財IPMコーディネータとは

「文化財IPMコーディネータ」資格制度は、平成23年に発足した資格制度です。
「文化財IPMコーディネータ」は、文化財IPMを正しく理解し、文化財IPMの考え方に基づいた「環境把握」、「防除対策の検討・提案」を行い、実際に被害が生じた場合は、専門家と相談しながら文化財IPMを円滑に進めていく方です。
「文化財IPM」の具体的な手法はさまざまで、対象となる文化財等の材質や保存環境の状況によって異なります。これらを実行するにはは一定の知識・技術をもち、適切に作業内容や行程を企画し、進行を管理することが必要です。この資格は、博物館等の学芸員、図書館司書の方、防除施工、被害調査を業務としている技術者、さらに美術品を輸送する運送会社、ビル管理会社など幅広い分野の方々が資格を取得しており、保存・環境の管理、虫・菌害の防除業務に役立てています。

「文化財IPMコーディネータ」の知識

  • IPMに関する基礎的なこと
  • 文化財に加害する生物に関すること
  • 文化財の保存環境(温湿度、虫・カビの生息環境、施設)の把握と維持に関すること
  • 文化財の生物害の防除処理に関する基礎的なこと
  • IPMを実践する組織に関すること