資格について

文化財IPMコーディネータとは

 IPM(総合的有害生物管理)は、薬剤だけに頼らず生物被害を防ごうという考え方で農業分野をはじめとして行われている手法で、博物館、美術館、図書館、資料館、文書館等においてもこの方法によって虫菌害を防除することが広まりつつあります。
 しかし、文化財を中心とする博物館、美術館、図書館等の収蔵品等については、農業分野等の手法をそのまま導入することは難しいため、各館に応じたIPMの手法が必要です。これらについては、主に清掃・温湿度調整などの環境管理と薬剤などを用いた防除を組み合わせて文化財に加害する害虫をなくし、カビによる文化財への目に見える被害を防止することを目指す必要があり、当研究所ではそのような手法を「文化財IPM」と呼んでいます。
 「文化財IPM」の具体的な手法は、対象となる文化財等の種類や収蔵・展示施設の状況などによってさまざまですから、これを実行するについては一定の知識・技術をもった者が、適切に作業内容や行程を企画し、進行を管理する必要があります。

「文化財IPMコーディネータ」資格の概要

1. 講習・研修および試験

次の講習及び研修を受講し、試験に合格することにより2.-①の登録申請を行うことができます。

「文化財IPMコーディネータ資格取得講習会」
(③の「試験」合格の前1か月以内に行われるものに限ります。)
「文化財の虫菌害・保存対策研修会」
(従前から毎年6月頃行われているものです。③の「試験」合格の日の前後1年以内に行われるものに限ります。)③の「試験」合格後にこの研修を受講する場合は、2-①の申請は研修の受講後に行うこととなります。
「文化財IPMコーディネータ資格取得試験」

2. 登録等

上記1-①・②の講習・研修を受講し、上記1-③の試験に合格した方について、申請により「文化財IPMコーディネータ」資格を認定し登録します。
「文化財IPMコーディネータ」には「文化財IPMコーディネータ証」を交付します。

3. 更新

「文化財IPMコーディネータ」資格は、5年ごとの登録更新が必要です。
登録更新は、事前(更新時の前2年以内)に「文化財の虫菌害・保存対策研修会」(例年6月頃行われているもの)を受講していることを要件とします。

4. 受講料等

1〜4の研修・講習・試験・登録および登録更新の手数料は次のとおりです。

研修・講習等受講料・受験料等
「文化財IPMコーディネータ資格取得講習会」(1-①)受講料:20,000円(会員は18,000円)
「文化財の虫菌害・保存対策研修会」(1-②)受講料:28,000円(会員は25,000円)
「文化財IPMコーディネータ資格取得試験」受験料:5,000円
「文化財IPMコーディネータ」登録料:5,000円
「文化財IPMコーディネータ」登録更新料:5,000円

5. 講習内容

文化財に係るIPMに関する基礎的な事項
文化財に加害する生物に関する事項
文化財の保存環境の把握と維持に関する事項
文化財の生物害の防除に関する基礎的な事項
その他、文化財IPMの事業の実施に関して必要な事項

6. 資格取得試験科目

IPMに関する基礎的な事項
文化財に加害する生物に関する事項
文化財の保存環境(温湿度、虫・カビの生息環境、施設)の把握と維持に関する事項
文化財の生物害の防除処理に関する基礎的な事項
IPMを実践する組織に関する事